ゴンちゃん
ゴンちゃんは何事にも動じない神社境内を根城にするボス、
大物なのか鈍感なのか周囲の出来事にはあまり反応を見せない
マイペースの毎日、夏のある日、宅急便のトラックの下で
昼寝中に車が発車してひどく足を骨折したが動じなかった。
駅前書店のKさんの援けで動物病院へ入院したが退院後は
しばらくケージで療養する事になり図体のデカいゴンちゃん
の養生先が思案されたがビルオーナーのOさんが引き受けて
下さりビルの屋上で暮すことになりました。優しいOさんは
扇風機まで買い与え心地よい贅沢な療養生活をさせてやった
のです。ゴンちゃんは1ヶ月以上の屋上の過保護生活ですっり
体調を取り戻しそろそろ白髪だった毛は真っ黒になり体は
ふっくらと太って見違えるほど元気になってしまったのです。
神社に戻ってからも相変わらずゆったりと物に動じない大物
ぶりのゴンちゃんでしたが翌ひと夏を過し秋を迎える頃から
は寄る年波で身体に衰弱が見えはじめ冬を迎えて寒い日には
SさんやYさんの与えるホカロンで厳しい冬を乗り越えた。
春先になって姿を見掛ける事が少なくなり独壇場だった鳥居の
笠木の上の昼寝姿も見かけることが少なくなった、笠木まで登る
体力が失せていたのです。近くの人から神社周辺を力なく歩いて
いる様子が伝わって来るようになり桜の蕾がふくらみ始めた頃の
昼下がり、ゴンちゃんはAさんの家の庭先で倒れて発見されました。
ゴンちゃんは根城だった神社から誰も知らない生まれ故郷の地に
帰る旅路の途中で力尽きたのです。
区議会議員の真面目眞次さんはねこ票で見事に
当選、議員になりました。その差、次点と2票、
ねこ票は10票ぐらいは有ったかもしれません(汗)
初当選を目指して猫の手助けグループに功を訴え
議員の席を獲得しました。当選して5年、すっかり商工会や
親睦団体との親交を深め猫からは離れて行きました。